コーラ=薬だった?「コカ・コーラ」の意外な起源と成分の秘密

「コーラって昔は薬だったらしいよ」

そんな噂を聞いたことはありませんか?実はこの話、あながち間違いではありません。

世界中で愛されている炭酸飲料「コカ・コーラ」は、もともとアメリカの薬剤師が開発した“健康飲料”だったのです。

目次

コーラはもともと薬だった?──歴史をひもとく

1886年、アメリカ・ジョージア州の薬剤師ジョン・S・ペンバートンは、ある飲み物を開発しました。その名も「フレンチ・ワイン・コカ」。

ワインにコカの葉コーラナッツをブレンドしたこの飲料は、神経を落ち着かせ、集中力を高めるとされ、薬局で健康トニック(強壮剤)として販売されていました。

禁酒運動の影響でアルコールの使用が難しくなったため、ペンバートンはワインを炭酸水に置き換え、誕生したのが「コカ・コーラ」です。

コーラに使われた「コカの葉」と「コーラナッツ」

コカ」は南米原産の植物で、古くから先住民が疲労回復や高山病対策のために使っていた薬草。一方「コーラナッツ」は西アフリカの植物で、豊富なカフェインを含み、覚醒作用があります。

この2つを合わせた“健康ドリンク”が、まさに元祖コーラの姿でした。ちなみに、「コカ」の成分であるコカインは20世紀初頭に使用が禁止され、現在のコーラには含まれていません。

現代のコーラに“薬的要素”はある?

では、現在販売されているコーラに薬効成分は残っているのでしょうか?

一般的な市販コーラには、カフェイン糖分が含まれており、集中力の向上や一時的な覚醒作用は期待できます。しかし、あくまで“嗜好品”の範囲を超えるものではなく、薬としての効能はありません。

一方で、近年人気を集めているクラフトコーラには注目すべき点があります。

クラフトコーラは、シナモン、クローブ、カルダモン、ジンジャーなどのスパイスや、柑橘類の果皮、はちみつなど自然素材をブレンドして作る手作りコーラ

これらの素材には消化促進、血流改善、リラックス効果など、漢方やハーブに近い“薬的要素”が含まれていることも多く、健康志向の飲み物として注目されています。

薬膳や漢方の要素を取り入れた健康志向のクラフトコーラ

クラフトコーラの中でも、薬膳や漢方などを取り入れた“薬的要素”が強めのコーラも存在します。その代表的クラフトコーラを3つピックアップしてみました。

イヨシコーラ

出典:イヨシコーラ 公式サイト

東京・下落合に工房を構えるクラフトコーラ専門メーカーです。創業者は漢方職人の孫で、祖父の技術と工房を受け継ぎ、100年前のオリジナルコーラレシピをベースに、コーラナッツや12種類以上のスパイスを調合して作られています。

Wine&Cigar リカープラザ大越酒店
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萬金コーラ(伊勢くすり本舗)

出典:伊勢くすり本舗 Instagram

三重県伊勢市の「伊勢くすり本舗」が製造するクラフトコーラで、600年の歴史を持つ伝統薬「萬金丹(まんきんたん)」を由来としています。漢方薬にも使われるスパイスやハーブをブレンドし、体を温める効果が期待される飲料です。

キハダコーラ

出典:ポニーの里ファーム ECサイト

奈良県のクラフトコーラで、薬剤師が監修した「薬膳」としてのコーラです。名前の通り、漢方薬にも使われる「キハダ(黄柏)」を主成分とし、その他にも体に良いとされるスパイスやハーブを使用しています。

コーラのルーツは“体を想う飲み物”だった

現代では甘くて炭酸の強いジュースというイメージが定着したコーラですが、もともとは人々の不調を和らげるために作られた“薬草ドリンク”でした。

歴史を知ることで、私たちが日常的に飲んでいるコーラの奥深さに気づくことができます。そして、クラフトコーラのような新しいスタイルのコーラは、まさにその原点回帰とも言えるでしょう。

次にコーラを飲むとき、少しだけその背景に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

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