「島根の地コーラ」は、島根県出雲市で生まれたご当地クラフトコーラ。“島根の素材で、島根らしい味を”という想いのもと、自社農園でスパイスを育てるところから始まった、全国的にも珍しい“農園発クラフトコーラ”です。
花椒やオールスパイスなど個性的なスパイスを組み合わせ、香りの立ち上がりは力強く、印象的。地元・出雲の自然の恵みと、作り手のこだわりが詰まった一本を、実際に飲んでみました。

「島根の地コーラ」の商品概要

項目 | 内容 |
---|---|
商品名 | 島根の地コーラ |
価格 | 約1,000〜1,300円/本 |
容量 | 100ml(希釈タイプ) |
原材料 | 甜菜糖(国内製造)、レモン、レモン果汁、みかん果汁、ライム果汁、生姜、シナモン、クローブ、カルダモン、ナツメグ、バニラビーンズ、花椒、コーラナッツ、コリアンダー、オールスパイス |
販売者 | 合同会社山田屋(島根県雲南市) |
製造者 | さんべ食品工業株式会社(島根県太田市) |

「島根の地コーラ」の実飲レビュー

「島根の地コーラ」を、「香り」「味わい」「他メーカーとの差別化ポイント」の3つの観点からレビューしていきます。
香りについて

キャップを開けた瞬間、まず感じるのは「これはコーラだ!」という強い主張。柑橘とシナモン、ナツメグあたりでしょうかね、力強い香りが一気に立ちのぼり、鼻を抜ける瞬間にコーラ感が広がります。
クラフトコーラに多い「スパイスだなぁ」という感じよりも、“私はコーラそのものだ”と主張してくるような感じでしょうか。落ち着いた香りではなく、むしろ“攻めてくる香り”とでも言いましょうか。
その香りの良さが飲む前から期待を高めてくれます。香りだけで存在感のある立ち上がりです。

味わいについて

香りのインパクトに比べると、味わいは意外にもマイルド。一口飲んだ瞬間は「おっ?」と思うほど穏やかで、スパイスが暴れることもなく、やさしい甘みと柑橘の酸味がふんわり広がります。
正直、美味しい。でも、あの香りの強さから想像していた“ガツンとくる一撃”までは届かない印象でした。香りで期待が高まったぶん、味の主張が少し控えめに感じてしまう。
全体としてはとても飲みやすく、角のない仕上がり。だけど、もしもう一歩踏み込んだ“島根らしい個性”やスパイスの厚みがあれば、「島根の地コーラ、ここにあり。」と胸を張って言える一杯になったんじゃないか。そんな少し惜しい気持ちも残りました。美味しいけどね!
他のクラフトコーラとの差別化ポイント

- 花椒やオールスパイスなど、他では見られないスパイス構成
- 原料となるスパイスを自ら栽培する“農園発クラフトコーラ”
- 地域ブランドとしての発信力とストーリー性
「島根の地コーラ」の最大の特徴は、原料となるスパイスの一部を自ら育てていること。自社農園では、プリンセスサリー(香り米)や生姜、ウコン、コリアンダー、唐辛子などを栽培されているようです。
“スパイスを仕入れる”のではなく、“スパイスを育てる”ところから始まるコーラづくり。この生産者目線のアプローチは、全国でもほとんど例がありません。
さらに、花椒やオールスパイスといった珍しいスパイスを取り入れているのもポイント。花椒のピリッとした刺激、オールスパイスの甘く重厚な香りが合わさることで、香りの奥行きと複雑さを生み出しています。その結果、香りの段階で“しっかりコーラを感じる”存在感につながっているのかもしれません。
また、地域の特産品としての発信にも力を入れており、島根県内のカフェや観光地で提供されることも多いそう。地域の風土と素材の魅力を「飲む体験」として伝える、まさに“地域ブランド型クラフトコーラ”です。

まとめ
「島根の地コーラ」は、香りのインパクトと素材へのこだわりが際立つクラフトコーラです。
キャップを開けた瞬間に広がる“コーラらしい香り”の主張は、数あるご当地クラフトコーラの中でも一線を画す存在。
一方で、味わいはどちらかといえばマイルド。
香りの力強さに比べると穏やかな印象ですが、そのバランス感が逆に「飲みやすさ」や「手づくり感」を引き立てています。
自らスパイスを栽培するという挑戦的な取り組みや、地域の素材を活かした製法には、“島根の地からクラフトコーラ文化を発信したい”という強い意志を感じます。
香りで惹きつけ、味でじんわりと余韻を残す――。
そんな「島根の地コーラ」は、クラフトコーラの多様性を改めて感じさせてくれる、記憶に残る一本でした。

- すごく良いコーラの香り
- 地域性の高さ・発信力
- 試し買いしやすいサイズ感(100ml)
- 味わいにもう少しインパクトが欲しい

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